あなたは、膝関節における靭帯損傷についてご存知ですか?
あなた自身が靭帯損傷を経験した事であれば馴染みのある言葉かもしれませんが、経験のない方からしてみれば初めて聞く言葉かもしれません。
通常、切れた靭帯が自然に癒合することはなく、永続的に切れた関節部の不安定性と不安感が残ることが結果として報告されていることがほとんであるため、一般的には手術以外の保存療法は無効とされているそうです。
プロスポーツ選手において、損傷する靭帯箇所にもよりますが、現場に立って競技復帰するまでに約280日の時間を要することが報告されています。
数字として見ても、スポーツにおける現場復帰率は約90%程という数字が出てきます。
そのため、手術後はいかに長い時間を要し、リハビリやケアが重要であるかよくわかるかと思います。
スポーツ選手でこういった期間・数字が算出されているため、いかに一般の方やご高齢の方が靭帯を損傷された際に時間を要するかが理解できるかと思います。
私だけでなく知り合いの先生や医師の方もおっしゃっています。「手術で良くなるものだが、その後の時間がかかる」と。
術後における靭帯損傷のリハビリやケアについても担当させて頂いたことはあります。やはり、ある程度のところまでは順調に進みますが、最後2割ほどの症状を改善するところで時間を要する経験もしてきました。年に何十症例と診ていた方もそのような経験は多々あるとお話しされてたくらいなので、症状を0まで持っていくことがどれだけ難しいか悩まされる症例になってきます。
もう一点重要なこととしましては、損傷した箇所・関節部位だけ治療していればいいかと言うとそうではありません。
日頃の生活習慣であったり、身体能力、年齢、基礎疾患等人によって様々ですし、同じ身体の状態の人はまずいません。
ましてや、怪我をしたことによる身体バランスの崩れ(荷重量の左右差)はどうしても出現してきます。
その様にして、様々な身体状態が複雑に絡み合って症状として出ていることが圧倒的に多いのです。
がじゅまる整体院では、様々な原因で引き起こされた靭帯損傷の患者様と向き合ってきました。
膝関節における靭帯損傷の原因が様々であることを前提に細かく検査を実行し、その人が持つ特有な原因の特定に力を注いでいるからこそ症状の改善に繋げることができると考えております。
前置きが長くなりましたら、今回そんな私だからこそお伝えできる靭帯損傷の話ができると思い筆を取りました。
- そもそも靭帯損傷とは何なのか?
- なぜ靭帯損傷が発症するのか?
- どうすれば靭帯損傷による痛み、違和感を改善できるのか?
- 改善のためにどこに行くべきなのか?
- 専門家に依存せずに自分で症状を予防するために何をすべきなのか?
こういった靭帯損傷にまつわる私がお伝えできることの全てをこれからお伝えしていきます。
本記事を参考に、靭帯損傷による痛みや不快感から解放される日々を送って頂きたいです。それでは一つ一つ見ていきましょう。
1.靭帯損傷とは?
靭帯損傷における痛みや違和感改善のためにも膝関節の基本的な知識を身につけることからスタートしましょう。
1-1.靭帯損傷とは靭帯が外力などにより損傷を受けた状態
靭帯損傷とは、靭帯が外力(外から加わった力)などにより、損傷を受けた状態のことを言います。
膝関節における靭帯損傷の症状は多種多様で次のようなケースを認めます。
- 膝の痛み
- 膝の不快感
- 膝の張りや腫れ
- 膝折れ感
- 膝の動きにくさ etc.
膝関節における靭帯は体重や様々な動きに対応しなければいけないので、本来強固な組織となっています。
つまり、スポーツ場面を除いて日常生活場面で損傷することは比較的少ないと言うことです。一度にかなりの衝撃が加われば一発で損傷することはありますが、日常生活で損傷するとなるとそれだけの負荷が加わった中で生活していると言うことになります。
それだけの負担がかかっている中で生活していると言うだけでも問題ですよね。
そういったところを突き詰めて問題を解決していく必要性があります。
だから靭帯損傷を改善するためには一人一人のライフスタイルや生活をしている時の癖や身体の癖と向き合わなければいけないのです。
1-2.靭帯損傷はまだまだエビデンスが不十分と言われている
日本整形外科学会と日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会が2019年に発行した前十字靭帯(ACL)損傷診療ガイドラインによると、エビデンスレベルの高い論文が少なく、今後さらにエビデンスレベルの高い論文や研究が必要になってくると記述があります。ガイドラインに書かれている内容は次の通りです。
文献の多くが観察研究でありエビデンスレベルの高い論文が少ない。危険因子を確立するためにはエビデンスレベルの高い大規模な研究、論文が必要と考えられる。
実際に私たちのもとにいらっしゃる患者様のお話を聞いてると次のようなことをよく聞きます。
- 整形外科に行ったのに安静にしていてくださいと言われた
- サポーターつけて生活してくださいと言われた
- 保存療法のみでその後の具体的な治療法を言われなかった
つまり、手術以外の保存療法を選択した場合の具体的な治療方法は確立されておらず、整形外科をはじめとした専門家の腕があっても、靭帯損傷後の具体的な説明というのは難しいのです。表面化している症状だけを見れば単純なのですが、その裏に隠れる靭帯に負担がかかっている原因を見つけることは、複合的に絡み合っているため難しいのです。
ただ、その人と向き合って一つ一つ可能性を追求していけば、ほぼ間違いなく症状改善に近づけることは可能です。
1-3.膝関節における靭帯損傷として挙げられる代表的な疾患
膝関節における靭帯損傷として挙げられる疾患には、前十字靭帯損傷(ACL損傷)、後十靭帯損傷(PCL損傷)、内側側副靱帯損傷(MCL損傷)、外側側副靭帯損傷(LCL損傷)が挙げられます。
その他にもあらゆる疾患があるのでまずはこれらについて解説していきます。
なお、前述した通りではありますが靭帯損傷の原因は単純なものではなく、あらゆる要素が複雑に絡み合っている可能性を模索すべきです。
そういった前提を踏まえて解説を進めていきます。
前十字靭帯損傷(ぜんじゅうじじんたいそんしょう)
膝関節は大腿骨(太ももの骨)と脛骨(スネの骨)と膝蓋骨(膝の皿)から構成されています。膝関節は股関節のような骨自体の安定性は低く、靭帯、腱、半月板、筋などの組織が安定性に大きく関係しているとされています。そのため、運動時に大きな可動性とともに安定性が要求され、力学的にかなりのストレスにさらされている関節となっています。
スポーツにおける膝関節靭帯損傷において発生頻度が多い部位は「前十字靭帯損傷」「内側側副靱帯」とも言われています。
損傷する主な動きとしては、ジャンプの着地や方向転換、ダッシュ中の急停止時が多いとされています。他には、スポーツ中の相手との接触や交通事故により損傷するケースもあります。
○症状
損傷した際は、激しい痛みやブツっといった断裂音を感じることがあります。加えて、内出血や激しい腫れを生じ、膝関節の不安定性が顕著に現れます。
初期としては激痛ではありますが、安静にしていれば痛みや腫れは引いてきて日常生活は送ることができるようにはなります。しかし、靭帯そのものは切れたままなので、その後の経過において半月板損傷や軟骨損傷を引き起こし慢性的な痛みに悩まされるかもしれません。
○治療
前十字靭帯は関節内にある靭帯であるため血流が乏しいが故に栄養が行き届きにくいです。そのため一度切れると自然治癒の可能性はほぼないと言われています。高齢者であれば保存療法を選択することもあるようですが、ごく稀です。もちろん保存療法では靭帯機能の回復は見込めないため、手術を勧められる事が多いそうです。
・保存療法
サポーターを使用し、膝の不安定性をカバーします。痛みのない範囲で関節可動域の確保や筋力低下しないようなトレーニングを行っていきます。
・手術療法
損傷した靭帯の代わりに、自身の腱を移植します。「前十字靭帯再建術」と言われ、これが一般的な術式になるでしょう。基本的には内視鏡を使用し、切る範囲も狭いため負担は最小限で済みます。
後十字靭帯損傷(こうじゅうじじんたいそんしょう)
損傷する主な動きは、脛骨(スネの骨)が後方へ押し込まれるような力が加わった時に損傷します。
例えば、膝を強く捻るような動作、急に膝を着くようにぶつけた、交通事故などが原因で損傷します。
○症状
損傷により、初期症状としては膝関節の激痛と腫れが認められます。その後は安静にしていれば痛みや腫れは引いて、日常生活に大きく支障をきたすことは少ないと言われます。しかし、実際には階段を降りる時やジャンプして着地する際に膝折れ感や膝関節の不安定性は認めることが多く聞かれます。
○治療
後十字靭帯損傷における治療としては「保存療法」を選択する事が多いとされています。もちろん損傷度が重症であれば手術を選択することもありあすが、程度が軽い場合や周辺の組織と癒着し関節の緩みが小さい場合は、手術の必要性はないとされています。
保存療法を選択された際、安静を図るために固定や免荷を優先します。その後で腫れや痛みが軽減してきたら、サポーターをつけてのリハビリを行います。
リハビリの内容も時期に応じて負荷量を上げていき、日常生活に支障のないレベルまで持っていくか、スポーツできるレベルまで持っていくかによってもリハビリ内容は変わってくるところはあります。
手術を選択する際は、損傷具合や膝関節の不安定性の具合などを考慮し、慎重に選択する必要性があります。そのため、専門医としっかり話し合う必要性があります。
内側側副靱帯損傷(ないそくそくふくじんたいそんしょう)
膝関節における靭帯損傷のうちで最も頻度が高く損傷リスクがあるのが、内側側副靱帯と言われています。
初期段階で適切な固定・処置がされていれば(前十字靭帯に比べ)修復しやすいとされています。ただし、初期段階で正しい処置がされず慢性化された際は、内側側副靱帯に加えて半月板損傷や、他の靭帯損傷を誘発する可能性が出てくるので、専門家による適切な処置は必要になっていきます。
○症状
膝関節内側部に圧痛、腫れ、熱感が認められます。体重を乗せた際に膝関節の内側への動揺と痛みが見られます。受傷直後は血腫が溜まったり、時間経過とともに水が溜まったりしてきます。
症状に伴い、評価基準の分類があるのでご紹介いたします。
Fetto&Marshallに基づく分類
grade Ⅰ | 内側側副靱帯部の痛みのみ、外反ストレステスト0°、30°ともに陰性 |
grade Ⅱ | 外反ストレステスト0°陰性、外反ストレステスト30°陽性 |
grade Ⅲ | 外反ストレステスト0°、30°ともに陽性→手術適応 |
American Medical Associationに基づく分類
Ⅰ度 | 小範囲の線維の損傷で不安定性を認めないもの |
Ⅱ度 | 軽・中等度の不安定性を認めるが完全断裂には至らないもの |
Ⅲ度 | 完全断裂 |
このように指標として用いられる分類もあるため、自分自身がどの程度の症状なのか知ることに参考にしてみてはいかがでしょうか。
○治療
治療においては、単独損傷の場合は原則的に保存療法が選択されることが多いとされています。もちろん損傷の程度にもよりますが、複数の靭帯が損傷している場合には、膝関節の不安定性が顕著に認めるため、手術の適応となります。
保存療法を選択する場合には、支柱付きの装具を使用し、早期より運動療法を開始するのが一般的です。
外側側副靭帯損傷(がいそくそくふくじんたいそんしょう)
膝関節における外側側副靭帯は、膝の内側に外方向から強い衝撃が加わった際に損傷します。また、膝から下を内側に強く捻った際にも損傷する事があります。
外側側副靭帯損傷の特徴としては、単独で損傷することは少なく他の靱帯や半月板と同時に損傷することが多いとされています。
靭帯の付着部である骨が、靭帯損傷により剥がれてしまう剥離骨折をしてしまう可能性もあります。
外側側副靭帯は強い衝撃が加わることによって損傷するため、日常生活で損傷に繋がることは少ないとされています。その為、損傷の原因に挙げられるのは、交通事故やスポーツ(ラグビーや柔道のように激しくぶつかり合う競技)等が挙げられます。
損傷の程度により保存療法か手術療法が選択されるため、専門家による適切な治療方針を話し合う必要性があります。
○症状
外側側副靭帯損傷により、膝関節の外側に激痛が出現します。また、圧痛や熱感、腫れが認められます。
損傷に伴い、膝関節の不安定性が見られます。膝の横方向の動きや体重を乗せた際に顕著に現れます。
稀ではありますが、腓骨神経麻痺が合併する症例もあります。
外側側副靭帯損傷により、腓骨神経も同時にダメージを負うこともあり、膝から下、下腿と言われる外側に一部感覚障害や筋力低下といった神経症状を伴うことがあります。
○治療
外側側副靭帯が単独で損傷しているのであれば、保存療法が選択される事が多いそうです。筋力トレーニングより靱帯にかかる負担を減らしていきます。また、日常生活では固定性の高いサポーターを使用していきます。
外側側副靭帯は単独で損傷することは稀であるため、ほとんどが複数の靭帯や半月板と同時に損傷する事が多いため手術の適応となります。保存療法を選択される際は、膝関節の不安定性や階段の登り降りで膝が抜けるような感覚があったりするため、二時的に他の靭帯や半月板を損傷するリスクが高まってきます。
その為、担当する専門医との話し合いがとても大切になってきます。
なお靭帯損傷による慢性的な痛みにつきましては、それ以外の要因で痛みが増幅している可能性はあります。そういった可能性を模索しながら普段の生活が送れるように改善を試みることが大切です。
2.自分で痛みを和らげる3つの方法
2-1.アイシング
急性的な場面に陥った時に、まずは圧迫させた状態でのアイシングを行いましょう。
損傷による炎症症状を軽減させると言うことは、膝関節の機能回復を早めるためにも大切です。
アイシングの方法に「RICE処置」というのがあるので紹介します。
RICEとは、アイシング方法の手順の頭文字を取った言葉になっております。
Rest(安静)
Ice(冷却)
Compression(圧迫)
Elevation(挙上)
この通りできれば間違いなくアイシングはできるので頭の中に入れておくのも良いかもしれませんね。
2-2.適度な運動
適度な運動とはいっても方法は様々で時期によってできるメニューがあるため見極めた上で行いましょう。
①ストレッチ
損傷後初期段階では、まず関節の可動域を確保しましょう。
関節が動かないことには筋肉も働きにくくなります。初期段階では自分で動かすのも痛いとは思います。少し痛いのは重々承知で無理のない範囲で動かしていきましょう。
②筋力トレーニング
初期段階は、自重でのトレーニングをしていきましょう。
片足立ち、ハーフスクワット、膝を少し曲げた状態での歩行訓練等で少し負荷を掛けるような形でトレーニングしていきましょう。
損傷から4週間経過したら少し負荷量をあげていきます。
・バランスパッドを使用し、不安定下で片足立ちが出来るようにトレーニングしましょう。
・片足立ちの状態で、非荷重下肢を後ろに蹴り上げるようにしながら体幹は前に倒していきます。蹴り上げた側のお尻の筋肉に力が入っていること、荷重側の膝が内側に入らないように気をつけて実施してください。
・スプリットスクワット・・・立位で片足を大きく前に踏み出した状態でスクワットをしていきます。膝を曲げていく際に膝が内側に入らないように注意して実施します。
柔らかめのチューブを使用して、ハムストリングス(ももうら)の筋力トレーニングも行えると良いですね。
この段階では歩行時の痛みがなければ段階よく経過していますね。
損傷から12週後を目安にトレーニングメニューを変えていきます。
ここからは、膝の可動域が正常値まで確保すること、動的なバランス、筋力をつけていくことを目標に実施していきます。
この時期から初めてランニングを開始できるようになってきます。
・ブルガリアストレッチ・・・片足を大きく前に踏み出し、後方に引いた足は高さのある台に乗せた姿勢を作ります。そこから深くスクワット動作をしていきます。その時、前足側の膝が内側に入らないこと、背中が丸くならないことを意識しましょう。
・ダウンスクワット・・・これは、その場で細かく足踏みをします。パートナーの合図でスクワット姿勢を作ります。外からの刺激に対する反応速度を高めること、咄嗟の姿勢作りで膝が内側に入らないように曲げることができるかのトレーニングになります。
・片脚ランディング・・・30cmほどの高さの台から片脚を前に踏み出します。体重分の負荷量を支えることができること、踏み出した脚の膝が内側に入らないことを意識しましょう。
・ランニング&ストップ・・・5mほどの距離の中でランニング中にパートナーからの合図で動きをストップさせます。片脚でストップした際に膝がぶれないこと、内側に入らないように注意しましょう。
損傷から20周経過したら競技復帰や日常生活に復帰するための複雑な動き方のトレーニングをしていきましょう。
片脚ポップオン・・・片脚立ちの状態での立ち幅跳びです。目標とする距離は徐々に伸ばしていきましょう。患側下肢でしっかり踏み切ること、着地と同時に衝撃を吸収することができること、ストップ姿勢において膝が内側に入らなこと。この点をポイントに実施しましょう。
片脚ジャンプアップ&ダウン・・・30cmほどの踏み台を準備します。片脚でジャンプして踏み台に昇段し、そこからジャンプし降段します。これも着地の際に膝が内側に入らないように注意しましょう。
ラダートレーニング・・・細かいステップ動作に加えて、腕をしっかり振ることで上半身と下半身の連動性を高めることができます。正面に向かって走ろう動作、横向きで走る動作、後ろ向きで走る動作、クロスステップを入れながら行う動作、バリエーション豊かにできると良いですね。
ジャンプアップ&リアクション・・・両脚でジャンプした際に、空中に浮いている瞬間にパートナーがバランスボール等で軽く押します。空中で姿勢を崩さないこと、打撃に対して姿勢保持した状態での着地動作が求められます。
この時期で持久走も取り入れましょう。徐々にで構いませんので距離を伸ばしていけると良いですね。
トレーニング後は炎症が起きやすいこともあるため、必ずアイシングをするようにしてください。炎症の蓄積で起こる怪我もあるため、早期復帰に向けてそこのリスクは避けましょう。
2-3.運動前後でのウォーミングアップ、クールダウン
怪我をしてしまった以上、状態的に良くても運動前はしっかり入念なアップを行うようにしましょう。また運動後のダウンは忘れがちな方が多いので、こちらも忘れずに行えと良いですね。
運動前にアップを行う意味合いとしては、
・競技力向上(筋温、体温、血流、心拍数、呼吸数、関節可動域の活性化、複数の筋肉間の連動性、神経系の賦活にパフォーマンスの向上)
・怪我予防
クールダウンを行う意味合いとしては、
・リカバリー効果の期待
・精神的リラックス
こう言ったところに繋がってきます。
正しい知識のもとで、適切な動作を組み入れる事でパフォーマンスを向上することができます。逆を言うと、適切な状況下で適切な動作ができないと、かえってパフォーマンスを低下することに繋がりかねません。
競技特性上の動き方があるため、指導者や専属トレーナー等の意見に耳を傾けながら、正しいウォーミングアップやクールダウンを行えるようにしましょう。
3.靭帯損傷における痛み改善に向けた施術を提供する3つの場所
膝関節における靭帯損傷改善のために専門家の力を借りたいのであれば、次の3つの場所の違いを把握してから探すべきです。
名称 | 誰がやるか | 特徴 |
---|---|---|
病院(整形外科) | 医師(有資格) |
|
接骨院、整骨院 | 柔道整復師(有資格) |
|
整体院 | 柔道整復師や理学療法士(有資格) ※無資格者が経営している場合もあり |
|
それでは一つずつ解説していきます。
3-1.病院(整形外科)
国家資格を所有した医師が治療にあたります。
病院の大きな違いは手術による治療と画像診断(レントゲン・MRI)が可能という点でしょう。重度の靭帯損傷による緊急の症状の場合などは手術による治療が効果的です。靭帯損傷に関してはMRIでの検査が適しているでしょう。
靭帯損傷に対しての治療法は痛み止め等の投薬治療、物理療法や運動療法によるリハビリもしていきます。
単独損傷ではなく複合型の損傷による重症者には手術の適応もあるので、自分の膝の状態を把握するには最も適した医療機関です。
3-2.接骨院、整骨院
接骨院では柔道整復師という国家資格を所有しています
柔道整復師とは医師の同意を得れば骨折・脱臼を治療することができ、打撲・捻挫に対して超音波治療や電気や温熱による物理療法で回復を早め、運動療法や手技(マッサージ)でリハビリをすることが出来る資格です。
また、組織の損傷具合を超音波で検査する事も可能ですが、施術者の熟練度に大きく左右されるので信憑性に欠ける場合があり、注意が必要です。
靭帯損傷に対しての治療法は、物理療法と手技で筋肉や組織に対して刺激を加えたり、周辺の関節に運動療法やストレッチを加えて柔軟性をつけて、痛みを緩和させるための動きの練習をしたりして痛みを取り除いていきます。
運動療法という点では、理学療法士やアスレティックトレーナーの方が知識は豊富に持ちあわせているため、プラスでの競技力向上や障害予防としての運動学習という点では少し弱いかもしれません。
病院に比べて治療内容や技術レベルの差がはっきりとでる分、事前に口コミ等ある程度の情報は必要になってきます。
3-3.整体院
整体院は規則上、無資格でも問題無く営業出来ますが、柔道整復師や理学療法士の資格を持っている場合が多いです。
病院でも接骨院でもない為、骨折・脱臼の治療や手術・投薬治療も出来ません。
治療法はその整体院によって様々で、
・時間によって金額の設定されたマッサージ
・特殊な電気治療器による施術
・カイロプラクティックでの骨格調整
・IDストレッチアプローチ
・筋膜レベルに対するアプローチ
というように多様化されているので一概にはいえませんが、もともと病院・接骨院に勤務する有資格者が更なる治療の為に経営している場合が多く、身体の構造を熟知し精練された技術である事が多いです。
しかし、上記したように無資格者の場合があったり、接骨院同様に技術のレベル差が顕著に表れてしまいます。整体院の場合はこのように治療内容が多様化している為、身近な方の口コミ、治療方針、施術内容など事前の情報が必要になってきます。
4.がじゅまる整体院における靭帯損傷による痛み改善のための施術の進め方
がじゅまる整体院では国家資格保有者が施術にあたり、靭帯損傷による痛み改善のために以下のような流れで施術を行なっています。
- 問診
- 検査
- 施術前の説明
- 施術
- アフター検査
- 施術後の説明
それぞれどのような内容で進めていくのか解説していきます。
4-1.問診
問診を進めていくに当たって、まずは問診表を記載していただきます。
内容としましては、本日来院するきっかけとなった現状の身体機能を細かく記載してもらいます。(いつ、発症した原因として思い当たることは?、症状が強くなる動きや体勢は?、楽に感じる体勢はあるか?、既往歴の有無、職業、運動習慣等の生活環境について)
併せて、主症状以外の部分で気になる症状等あれば、細かく記載していただきます。詳しく記載して頂くことで、様々な論点から原因を突き止め、根本的なところから改善に繋げる事ができます。
4-2.検査
がじゅまる整体院では原因解明のために全身を検査します。
膝の痛みだからと言って膝の検査だけをするのはNGです。前述した通り、靭帯損傷に至った原因を特定するのが難しい上に、膝関節以外のありとあらゆる身体の箇所に原因が隠れている可能性があるからです。
こういった検査を丁寧に行なっているからこそ、私たちがじゅまる整体院は靭帯損傷に対してしっかりとした施術を提供する事ができます、
例えば私たちが膝関節痛と聞いて真っ先に思う浮かべる主要な原因は次の通りです。
- 頸の骨が歪んでいる
- 肩の高さが左右で違う
- 骨盤に歪みがある
- 股関節が捻じれている
- 足首がずれている
- 左右の足の筋肉が緊張している
これらの可能性を頭に浮かべながら丁寧に検査を進めていきます。
ただし、上記はほんの一部でしかありませんしもっと詳しく検査しなければわからないものばかりです。
膝関節痛といっても痛む場所に直接的な原因は無く、体幹の歪みや下半身の骨のずれ、筋肉の異常な緊張によるものが非常に多いのです。
4-3.施術前の説明
施術自体が特殊であるために、施術中、施術後、身体の中で様々な反応が出る事があります。
身体が暑くなってきたり、眠くなってきたり、少しだるさを感じてきたり、動悸がしてきたり、呼吸が荒くなったりしてきます。
人によっては、一時的に痛みが強く出たりとか、 普段痛みが出ていないような所に痛みが出てきたりします。
痛みが強くなることは稀ではありますが、万が一調整により不具合を感じた場合はすぐにご相談ください。
4-4.施術
施術は、トムソンテーブルという特殊なベッドを使用し調整していきます。ベッド自体が、頸椎部、胸椎部、腰椎部、骨盤部と4部分に分かれており、それぞれが上下に昇降するように可動します。
昇降する際に発生する衝撃と振動を利用し、ずれた関節、 固まった関節・筋肉を緩ませて、正しい位置に調整していきます。その際に大きな音が発生しますが、痛み自体は大きく伴うことはありません。
4-5.アフター検査
施術後、施術前に実施して検査を元に再検査を実施します。そこで筋肉の硬さや関節の動き、関節におけるズレの変化を前後で診ていきます。
4-6.施術後の説明
施術において、動きが狭かった所に動きを出すように調整していきます。
その関係性で、次の日筋肉痛みたいな痛みが出たり、筋肉に張り感を感じたりするかもしれません。そのため、そういった反応を少なくするために、施術後30分以内に5分〜10分歩くことを推奨しています。
骨格を調整して骨格はいい状態ですが、そこについている筋肉がまだ馴染んでいない状態なので、歩いて筋肉を動かして馴染ませる作業が必要になってきます。
5.今後、靭帯損傷を防ぐために知っておくべき3つのこと
5-1.下半身を中心に筋力トレーニングやストレッチをする
元々身体が硬かったり、体重に対して筋力が少なかったりすると膝関節にかかる負担が大きくなったり、筋肉の柔軟性が低下してしまうと衝撃吸収の効率が悪くなり、靭帯にかかる負荷量が多くなってしまいます。その為、普段から心がけてストレッチや筋力トレーニングを行うように心がけましょう。
5-2.バランストレーニングをする
前後左右のバランスが悪いと咄嗟の時やスポーツをしていてる最中で靭帯損傷を起こすリスクは高まります。前後のバランス、左右のバランスが均等の状態であれば、どちらか一方に負荷が乗ることも少ないので障害予防につながります。
5-3.身体の変化や前兆に気を付ける
痛める時には多くの場合前兆がみられます。
- 普段よりも疲労がたまっている
- 重労働や立っている時間が長かった
- 膝に違和感や調子の悪さが目立つ
これらに該当する時は身体のケアが必要な時です。 しかし、全ての人に当てはまる訳ではありません。 前兆無しに突然痛める方もいるので、そんな方は日頃からの定期的なケアが必要かもしれませんね。
6.患者様よりいただく靭帯損傷にまつわる5つの質問とその回答
6-1.スポーツをしていて、膝を怪我しました。痛みも強く歩くこともできません。どうしたら良いですか?
早い段階で整形外科による診察を勧めます。検査して何もなければ良いのですが、靭帯損傷や半月板損傷をしている可能性が考えられます。重症度によっては手術の適応にもなるため、早めに診察するようにしましょう。
6-2.部分断裂でスポーツは続けていいのでしょうか?
部分的な靭帯損傷になると膝に強いダメージが加わり、激しい炎症状態になります。なのでまずは安静に。そして患部をアイシングして炎症を抑えるようにしましょう。
その後腫れや内出血が治ってきたら、軽いストレッチや専門家による適切な筋力トレーニングが必要になってきます。放っておいてスポーツをしていると、さらに損傷具合が悪化したり、膝以外の部位で痛みが出てきたりします。保存療法で経過しても良い損傷程度だったのが、手術を要する事態にもなりかねません。
現状の状態も含め、専門家や病院に相談し納得する治療を行ったほうがよろしいでしょう。
6-3.近くの整体院に行ったら膝をマッサージされました。マッサージされた時は良かったのですが後から膝の痛みが強くなりました。これは放っておいて良いのでしょうか?
膝をマッサージされた時に良かったのは、刺激が加わることにより一時的に筋肉がほぐれ血液の流れが良くなったためだと考えられます。
その後、痛みが強くなった原因としては、必要以上の刺激が加わり筋肉、組織を傷つけてしまった可能性が考 えられます。
あるいは、必要以上に緩みすぎてしまい、骨格が不安定な状態となった結果、過度な負荷が加わり膝の筋肉、靭帯が耐えられず痛みとして、エラー反応を起こしています。
正常であれば痛みは出てきません。
異常が起きているから痛みの反応が出ているのです。異常部位に常に負荷が乗っていれば、もちろん治りは遅いですし、 いつまでも違和感が残る可能性が考えられます。
それこそ、整骨院に行けば、電気治療や温熱療法、患部のマッサージ等を再度実施するかもしれません。急性的に痛みが出ており、組織が傷ついている状態でさらなる刺激を加えたらどうなりますか?
組織はさらに傷つき痛みは強くなります。
当院ではまず崩れてしまった身体のバランスを調整していきます。異常部位に負担が掛からないように調整し、筋肉、組織の治癒を促進させていきます。
6-4.接骨院なら保険適用されるしマッサージも多くてお得だと思うのですが実際どうですか?
接骨院であれば、確かに保険適用され安価であるため何度も気軽に通う事ができると思います。
ただなぜ何度も通うのでしょうか。
恐らくその場で良くても次の日にすぐ戻ってしまう、良くはなっていないけど悪くなっていない、さまざまな理由があるとは思いますが、結果が出ておらず現状維持の状態であるからではないでしょうか。
当院では保険適用外で施術させて頂くため、最速最短で結果を出します。辛い症状から 1日でも早くお別れできると嬉しいですよね。
6-5.痛みを増幅させないためにどんなことに注意して生活すれば良いですか?
日常生活において歩く時間が長い人はジャストサイズの靴を選ぶ、立ち仕事が多い方は中敷きを使用する、違和感があった際はアイシングをして予防する等、道具にフォローしてもらうのも一つの方法です。
自宅でも軽いストレッチ、特に下半身をメインにしっかり伸ばしてあげると楽になるものもあるので非常におすすめですね。
7.まとめ
がじゅまる整体院は、本当に困った人への治療法を提供します。
靭帯損傷に関わる痛みといっても、頭のてっぺんからつま先まで原因様々です。 損傷していれば尚更です。細かく診ないとわからないものばかりです。ましてや、再発なんてしたらせっかくのリハビリも台無しです。
しかし問診、検査に長く時間をとっているがじゅまる整体院だからこそ解明できる原因と症状があります。
その為に必要な間隔での治療は提案させてもらいますが、強制もしないし必要過剰な通院の指示もしません。 皆さんもお忙しい中来院してもらっているので、最適な間隔と出来る限り最短での改善をお約束します。
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