野球肘という言葉をご存知でしょうか?
肘の内側に痛みが生じる内側上顆炎や、外側に痛みが生じる外側上顆炎など肘も様々な部位に痛みが起きますが、野球選手が投球動作を繰り返すことで肘に痛みが起きている状態を総じて野球肘と言います。
一括りに野球肘と言っても、人によって痛め方も違いますし、年齢で原因も異なってきます。
肘の関節には骨や軟骨、靭帯や腱など様々な組織が存在していますが、繰り返し動かす事で軟骨がこすれたり、靭帯を伸ばしてしまい痛みが生じるようになってしまいます。
確かに、過剰な練習や投げ過ぎは身体に疲労をためて、筋肉を緊張させ、肘に大きな負担をかけるため、野球肘を発症させる要因となります。
しかし、同じ数投球して、激しい練習をしている人すべてが野球肘を発症するかと言えば、そんなことはありません。
野球肘を発症するという事は、それ以外にも身体への負担を大きくさせる何か原因があるということです。
痛みが出ている肘の関節や周りの筋肉を整えれば痛みは消えますが、肘に負担を掛けて痛めてしまった身体そのものを改善させなければ再発のリスクは付きまとってくるでしょう。
同業界内でもよく言われているのは「野球肘は痛みが引いても、野球をやり続けると必ず再発する!」という事。
いかに野球肘を根本から改善するのは難しいかが分かると思います。
当然、昔に比べたら医学の進歩は目まぐるしいかもしれませんが、症状に悩む患者さんの状態を見ていると私はそう思う事ができません。
専門家である私がこんな事を言うのはおかしいのかもしれませんが、患部に負担が掛からなくなるように身体のバランスを変える事は簡単ではありません。
また、施術において重要な視点がもう一つあります。
それが「症状の原因は人によって全然違う」という事です。
当たり前かもしれませんがその人その人で生活習慣は違います。
身体の癖も違うし、身体のスペックも違う、既往歴が有るか無いかでも違います。
あらゆる要因を考えればその人その人で原因となる部分は異なるはずです。
併せて、原因は一つだけである事はほとんど無く、全身のあらゆる問題が複雑化する事で発症しているケースが大半でしょう。
私たちがじゅまる整体院は開業から5年が経過し、多くの野球肘患者を施術させて頂き、症状を改善させてきました。
我々が結果を出せているのには理由があります。
野球肘の発症には原因があり、それは一人一人異なる事を念頭に正確な検査を実施して、その人が抱える原因の解明に力を注いでいるからです。
そんな私にしかできない野球肘のお話があると思い、今回記事にさせてもらいました。
- まず野球肘とは何なのか?
- 何が原因で野球肘が発症するのか?
- 何をすれば野球肘を改善できるのか?
- 野球肘を治すためにどこに行けばいいのか?
- セルフケアだけで野球肘を予防するには?
私がお伝えできる限り、野球肘についてご説明していきます。
この記事をご覧いただいて、野球肘の症状から解放される日々を送っていただけますと幸いです。
1.野球肘とは?
まずは野球肘について基礎的な情報からご説明していきます。
1-1.野球肘とは、野球選手の投球動作による肘の痛みの総称
野球肘とは、野球選手が投球動作を繰り返す事で肘に負荷が掛かりすぎて痛みが出ている状態の総称です。
一括りに野球肘と言っても、状態は様々です。
- 靭帯損傷
- 骨端軟骨損傷
- 離断性骨軟骨炎
- 筋肉の過緊張
- 変形性関節症 etc
野球肘の発症には必ず原因があります。
もちろん、症状を軽視するわけではありませんが、重要なのは原因です。
原因から改善させていかないと症状が消えても、再発する可能性は消えてません。
野球肘が発生する原因は人によって異なります。
確かに、多すぎる投球数や疲労の溜め込みすぎは肘に負担となりますが、問題となるのは、なぜ疲労は溜まってしまって、多すぎる投球数に身体が耐えられなかったのかという事です。
同じように練習した野球選手全員が野球肘を発症するかと言われればそんなことはありません。
関節の可動域が狭くなっている事や、筋肉が異常に緊張している事が影響しているかもしれません。
さらには、それらの原因が日常生活動作における身体の使い方の癖などにあるかもしれません。
野球肘の原因は一概には言えず、フォームの乱れや年齢的な問題、筋肉量が足りない事による体幹の不安定性などあらゆる要因が複合的に絡み合っているケースがほとんどだと考えた方が自然でしょう。
だから野球肘を改善するためには一人一人のライフスタイルや癖と向き合わなければいけないのです。
1-2.野球肘の治療法は対症療法が多い?
野球であれば投手や捕手のように投球数の多いポジションに多いとされています。
少し古い情報ではありますが2005年の日本臨床スポーツ医学会で青少年の野球障害に対する提言が掲げられています。
1) 野球肘の発生は11、12 歳がピークである。従って、野球指導者はとくにこの年頃の選手の肘の痛みと動きの制限には注意を払うこと。野球肩の発生は15、6 歳がピークであり、肩の痛みと投球フォームの変化に注意を払うこと。
2) 野球肘、野球肩の発生頻度は,投手と捕手に圧倒的に高い。従って各チームには、投手と捕手をそれぞれ2 名以上育成しておくのが望ましい。
3) 練習日数と時間については、小学生では、週3 日以内、1 日2 時間を越えないこと,中学生・高校生においては、週1 日以上の休養日をとること。個々の選手の成長,体力と技術に応じた練習量と内容が望ましい。
4) 全力投球数は、小学生では1 日50 球以内、試合を含めて週200 球を超えないこと。中学生では1 日70球以内、週350 球を超えないこと。高校生では1 日100 球以内、週500 球を超えないこと。なお1 日2 試合の登板は禁止すべきである。
5) 練習前後には十分なウォームアップとクールダウンを行うこと。
6) シーズンオフを設け、野球以外のスポーツを楽しむ機会を与えることが望ましい。
7) 野球における肘・肩の障害は、将来重度の後遺症を引き起こす可能性があるので、その防止のためには指導者との密な連携のもとでの専門医による定期的検診が望ましい。
野球肘は、肘の関節を構成する筋肉や骨、腱、靭帯などが何度も投球動作をすることによって何らかの障害を受け発症します。
専門の医療機関に受診しても多くの場合
- 前腕のマッサージやストレッチ
- 患部に電気治療などの物理療法
- 患部に超音波治療器を当てて炎症を抑える
- 筋弛緩剤や湿布などの処方 etc
患部の症状に対して焦点を当てる事が多いようです。
確かに痛みなどの症状を抑え込むように処置をすれば、症状を緩和させる事が可能です。
しかし、症状にだけ目を向けてしまっては肘の患部に掛かる負担が変わったわけでは無いので、一時的に症状が消えても時間が経てば元通り、再発は逃れられないでしょう。
実際に、整形外科を受診後に私たちのもとにいらっしゃる患者様のお話を聞いてると次のような事をよく聞きます。
- まずは湿布と痛み止め
- とりあえず様子を見てください
- 痛みが引くまで練習は控えて
やはり症状に執着している場合が多いように感じられます。
つまり、整形外科のドクターをはじめとした専門家の知識があっても、原因を解明して根底から野球肘を改善する事は難しいという事。
症状だけをみれば単純かもしれませんが、その背景には複雑に絡み合った原因があるため特定する事は容易ではないのです。
それでも、その人と向き合い可能性を一つずつ追っていけば、野球肘の改善にほぼ間違いなく近づける事が出来ます。
1-3.野球肘のメカニズム
主に成長途中の子供が発症しやすい野球肘ですが、年齢によって様々なケースがあります。
大人に比べて子供に発症しやすいのは、まだ骨が成熟しておらず柔らかいのが理由としてあげられます。
あまりにも痛みが強い場合には、野球を休まなければいけなくなってしまうので、身体の状態を正しく把握しておく必要があります。
野球肘は大きく分けて「内側型」と「外側型」
内側型では、骨折や靭帯損傷。これは投球時に肘内側にかかる牽引力によって発生します。
外側型では、骨と骨が衝突を繰り返す事で軟骨を損傷させてしまいます。
野球肘の状態によって詳しく見ていきましょう。
上腕骨内側上顆障害
上腕骨内側上顆障害は成長途中の年齢に多く見られる事から「リトルリーグ肘」とも言われます。
肘内側の軟骨が前腕の屈筋群の腱による牽引力でストレスが掛かり、何度も投球動作を繰り返す事で痛みが生じるようになります。
軽いうちは休息を挟む事で痛みは緩和されますが、痛みに耐えながら練習を続ける事で腱の付着部の骨が剥がれるケースもあるので注意が必要です。
上腕骨骨端線閉鎖不全
上腕骨骨端線閉鎖不全は、中学生に発生しやすい野球肘です。
骨端線は骨と成長軟骨の間にある成長線で、本来であれば中学生くらいの年齢で徐々に癒合していきます。
しかし、崩れたフォームや投球数が多くなる事で上腕に掛かる牽引力が強くなり、骨端線が癒合しなくなってしまう事があります。
しばらく練習を休むことでほとんどの場合は癒合しますが、重症時には手術が必要になる場合もあります。
内側側副靭帯損傷
靭帯の損傷は成長期の子供よりも、高校生以上に多い障害です。
肘の曲げ伸ばし動作を繰り返す事で内側の靭帯にストレスが掛かって、靭帯を損傷する事があります。
痛みがある状態で無理に練習を続けると、肩や手首など他の関節にとっても負担となってしまいます。
症状が徐々に出るケースと、突然断裂して急激に痛みが強くなるケースがあり、投球時の肘の感覚に変化がある場合には注意が必要です。
離断性骨軟骨炎
野球肘にも様々な種類がありますが離断性骨軟骨炎は重症化する場合が多いです。
徐々に悪化していくと関節の軟骨が部分的に剥がれてしまい、関節内を漂う遊離体となります。
これを関節ねずみと言い、関節の隙間に挟まる事で軟骨部分を傷つけて、強い痛みや関節の動きを邪魔してしまう事があります。
この状態が長期にわたる事で肘の変形の原因となり、可動域制限や動かしづらさを感じようになってしまいます。
軟骨が剥がれても、重症化する前に発見する事が出来れば保存療法で症状改善の見込みがあります。
しかし、症状を我慢して練習を続けてしまうと手術が必要になり、後遺症で肘の可動域制限が認められるケースもあります。
2.自分で野球肘を和らげる3つの方法
2-1.アイシング
痛みが強いときは強く炎症を起こしている可能性が高いです。
まずは炎症を抑える事を第一に考えましょう。
炎症を抑えるために必要なのはアイシングです。
左右を触って比べてみると腫れや熱感を感じる事が出来るはずです。
まずは保冷剤や氷嚢など、ダイレクトに氷で冷やすようにしましょう。
20分冷やして10分休んでを最低3回、可能であれば何回も。
これには理由があり、患部に負荷が掛かり続けた結果、炎症が起きているので、負荷が掛からないようになるまでは炎症が落ち着きにくいという難点があるのです。
そのため、長時間のアイシングが必要になってきます。
また、10分間の休憩は凍傷予防です。
最悪、氷を当て続ける事が出来ない場合には湿布でも構いませんが、湿布は表面上の炎症を抑えるだけで奥まで冷やす事は出来ません。
可能な限りは氷での冷却をするべきでしょう。
2-2.サポーターの使い方
日常的に痛みを感じてしまうと、脳内で痛みを覚えてしまい、身体を動かす時にためらうようになってスムーズな動きが出来なくなってしまいます。
それを避けるためにもサポーターで動きのコントロールや関節のフォローをしておくと痛みを感じる事なく肘を動かす事が出来るので、回復過程において非常に重要です。
しかし、サポーターを常に付けていると筋肉を圧迫し過ぎて、筋肉が硬くなってしまったり、関節の動きが悪くなって痛みが強くなる原因になるので、負荷が掛かる時以外はなるべく外すようにしましょう。
長時間使用する場合には、定期的に外して腕を動かすようにしましょう。
そうする事で、筋肉の緊張や関節の動きが悪くなる事を予防する事が出来ます。
2-3.筋力トレーニング
また、体幹の筋肉を鍛えて肘への負担を軽減させるのも効果的です。
サイドツイスト(肩の安定性と体幹の回転力)
①肩幅程度足を広げて、肩の高さまで両腕を上げます
②軽く膝を曲げて、お尻を後ろに出し、身体を前傾させます。
③上半身を左右に回転させて、少しづつ大きく回転させていき、骨盤から回るようにしていきます。
④下半身は床に固定したままで、左右に30回ずつ回転させましょう。
体幹の筋肉にしっかり力が入っている事を感じながらやりましょう。
3.野球肘改善に向けた施術を提供する場所
野球肘改善のために専門家の力を買いたいのであれば、次の三つの場所の違いを把握してから須佐がすべきです。
名称 | 誰がやるか | 特徴 |
---|---|---|
病院(整形外科) | 医師(有資格) |
|
接骨院、整骨院 | 柔道整復師(有資格) |
|
整体院 | 柔道整復師や理学療法士(有資格) ※無資格者が経営している場合もあり |
|
それでは一つずつ解説していきます。
3-1.病院(整形外科)
国家資格を所有した医師が治療にあたります。
病院の大きな違いは手術による治療と画像診断(レントゲン・MRI)が可能という点でしょう。
腱や靭帯の損傷などはMRI検査を行う事で状態を正確に把握する事が可能です。
また、骨や軟骨の状態を把握するためにもレントゲン検査が必要になります。
関節軟骨の剥離や靭帯損傷が悪化した場合には手術の適応になる事もあります。
野球肘に対しての治療法は痛み止めや筋弛緩剤、可動域を広げる為の運動療法や物理療法など対症療法が中心となります。
3-2.接骨院
柔道整復師という国家資格を所有しています。
検査は基本的に触診メインで筋肉の緊張や関節の可動域を手の感覚で診ていきます。接骨院によっては筋肉や腱、靭帯の損傷度を調べる超音波検査を行う場合もあるでしょう。
触診でも超音波検査でも言えることですが、施術者の熟練度に大きく左右されるので、信憑性に欠ける場合があり注意が必要です。
施術内容も手技メインで筋肉を緩めるためのマッサージや関節可動域拡大のための運動療法とストレッチ、更に矯正や特殊な電気治療器を使用する場合もあります。
病院に比べて治療内容や技術レベルの差がはっきりとでる分、事前に口コミ等ある程度の情報は必要になってきます。
3-3.整体院
整体院は規則上、無資格でも問題無く営業出来ますが、柔道整復師や理学療法士の資格を持っている場合が多いです。
治療法はその整体院によって様々で、
- トリガーポイントを用いた治療法
- オステオパシー
- カイロプラクティックでの骨格調整
- AKAによる関節調整
- KYTでの全身調整
というように多様化されているので一概にはいえませんが、もともと病院・接骨院に勤務する有資格者が更なる治療の為に経営している場合が多く、身体の構造を熟知し精練された技術である事が多いです。
しかし、上記したように無資格者の場合や接骨院同様に技術のレベル差が顕著に表れ、整体院の場合治療内容が多様化している為、口コミ、治療方針、施術内容など事前の情報が必要になってきます。
4.がじゅまる整体院における野球肘の施術の進め方
野球肘は症状としては肘に現れていますが、根本的な原因が肘にある事はほとんどありません。
身体の歪みによって投球時の負担が必要以上に肘に掛かってしまい発症している事がほとんどなので、全身を調整する事で肘の症状を改善させていきます。
肘に掛かる負担を出来る限り小さくしていく事で野球肘は改善されていきます。
全身の状態を把握して原因に正しくアプローチしていくのが当院の特徴なので、最短での症状改善が期待できます。
手術でも無いので、リスクを伴わないのも特徴です。
がじゅまる整体院では国家資格保有者が施術にあたり、野球肘改善のために以下のような流れで施術を行なっています。
- 問診
- 検査
- 施術前の説明
- 施術
- アフター検査
- 施術後の説明
それぞれどのような内容で進めていくのか解説していきます。
4-1.問診
まず問診表を記入いただきます。
どういった症状が出ているのか、現在の身体の状態について詳しくお伺いします。
- いつから症状があるのか
- 原因として思い当たるものは
- どうすると症状が悪化するか
- どうすると症状が弱くなるか
- 過去にケガや病気などはしたことあるか
- 職業
- 日常生活習慣について
それと併せて、他に気になる症状や今出ている症状があれば詳しく教えてください。
様々な情報を頂く事で、あらゆる角度から原因を解明し、根本から改善につなげる事が可能です。
4-2.検査
がじゅまる整体院では原因解明のために全身を検査します。
症状が出ているのが肘だからと言って肘しか検査しないのはNGです。
先ほど述べたように、野球肘の原因は肘に限らず、身体中のあらゆる部分に隠れている可能性があるからです。
こういったことを念頭に正確な検査を実施しているからこそ、我々がじゅまる整体院では野球肘を改善する事が出来ているのです。
例えば私たちが野球肘と聞いて真っ先に思う浮かべる主要な原因は次の通りです。
- 背骨が歪んでいる
- 特に胸椎の歪みが強い
- 肩の高さが左右で違う
- 骨盤に歪みがある
- 肘に捻じれが生じている
- 手首がずれている
- 足に筋肉が異常に緊張している
これらの可能性を頭に浮かべながら丁寧に検査を進めていきます。
しかし、上記したものはあくまでほんの一部。
更に詳しく検査しなければ判明出来ないものがほとんどです。
野球肘といっても症状が出ている部位に直接的な原因は無く、骨盤の歪みや背骨のずれ、上肢の筋肉の異常な緊張によるものが非常に多いのです。
4-3.施術前の説明
施術自体が特殊であるために、施術中、施術後、身体の中で様々な反応が出る事があります。
身体が暑くなってきたり、眠くなってきたり、少しだるさを感じてきたり、動悸がしてきたり、呼吸が荒くなったりしてきます。
人によっては、一時的に痛みが強く出たりとか、 普段痛みが出ていないような所に痛みが出てきたりします。
痛みが強くなることは稀ではありますが、万が一調整により不具合を感じた場合はすぐにご相談ください。
4-4.施術
施術法は、トムソンベッドという特殊なベッドを使用していきます。
このベッドは
- 頸椎部
- 胸椎部
- 腰椎部
- 骨盤部
4ヶ所に分かれており、それぞれが上下に昇降するように動きます。
可動時に発生する衝撃と振動を利用し、ずれた関節、 固まった関節・筋肉を緩ませて、正しい位置に調整していきます。
可動時に音が発生しますが、痛み自体は大きく伴うことはありません。
4-5.アフター検査
施術実施後に再度検査をして、施術前と比較していきます。
筋肉の硬さや関節の可動域、関節のずれを確認していきます。
4-6.施術後の説明
施術において、動きが狭かった所に動きを出すように調整していきます。
その影響で翌日、筋肉痛のような痛みや、筋肉の張りを感じる場合があります。
そういった反応を小さくするために、施術後30分以内に5分〜10分ウォーキングしていただくようご説明しています。
身体を調整して骨格は整った状態にありますが、そこにつく筋肉がまだ馴染んでいない状態なので、歩いて身体を動かして筋肉を骨格に馴染ませる過程が必要になってきます。
5.今後野球肘を防ぐために知っておくべき3つのこと
5-1.靴の選び方
野球肘の予防で大切なのが下半身の安定。
意外かもしれませんが、重要なのが靴選びです。
日常生活でサイズの合ってない靴を履くと体には余計な負荷が掛かり、歪みを強くさせる要因となります。
また、野球の練習時に合ってない靴を履いて投球するとフォームが崩れて、肘に負荷が掛かり、ダメージが蓄積されて野球肘発症の原因となるのです。
自分の足にあったサイズで、身体を動かすうえで必要な機能が備わった靴を選ぶ必要があります。
- ヒールカウンター
- シャンク
- サイジング
ヒールカウンターと呼ばれる踵部分を覆うパーツがしっかりと作られている必要があります。
踵を安定させることでしっかりと止まる事ができ、身体に掛かる負担を軽減する事が出来ます
シャンクという鉄板が靴底に内蔵される事で、歩行時に地面から身体に力をスムーズに伝わらせることが出来るようになります。
一番重要なのはサイズです。
実際のサイズよりも大きな靴を履いてしまうと、靴の中で足が動いてしまう分余計な負荷が身体に掛かってしまいます。
靴屋で店員にサイズについて尋ねると、実際のサイズよりも大きめのサイズをすすめられる事が非常に多いです。
足のサイズを測ってみると自分が思っていたサイズとはまるで違う事が結構あります。
改めて測ってみるのも良いでしょう。
サイズは長さの他に幅の単位(B~6E)があるので併せて確認しましょう。
5-2.必要な筋肉のトレーニング
投球動作に於いて必要な筋肉を鍛える事は、フォームを安定させることが出来ます。
その中でも特に重要な筋肉が体幹部分です。
腰回りや腹筋、背筋を鍛える事で軸がブレず、体幹を安定させる事が出来るのです。
それによって、投球時に足からの力をスムーズに腕に伝える事で余計な負荷を身体に掛ける事無く、ボールを投げる事が可能となります。
筋力が弱まる事で体幹がブレたり、下半身が不安定ではフォームが乱れてしまい、そのまま投げ続ける事で身体の故障の原因になってしまいます。
自分自身の身体についてしっかり把握しておくことも、野球肘を予防するという意味では非常に重要なのです。
5-3.疲労を残さない
疲労を残さない為にも入浴は大切です。
全身の血流を良くすれば、その分老廃物が流れやすくなり疲労も翌日に残りにくくなるので、入浴は非常に効果的なのです。
患部に炎症が起きているうちは患部を冷やして炎症を抑える事が第一なので、長時間の入浴はおすすめできません。
しかし、怪我をしてないのであれば筋肉を温める事は柔軟性を取り戻し、硬さが抜けて予防効果が期待できます。
そのためにもシャワーなど短時間で済ますのではなく、しっかりと全身が温まるようにお湯に浸かるようにしましょう。
6.患者様より頂く野球肘にまつわる質問
6-1.病院で関節鼠と言われたのですが、一体なんですか?
関節鼠とは、肘に負荷が掛かり過ぎた事で軟骨が剥がれ落ち、関節内を漂っている状態で、正式名称を「関節内遊離体」と言います。
剥がれ落ちた軟骨が関節内で骨と骨の間に挟まると、非常に強い痛みが生じる場合があります。
離断性骨軟骨炎がきっかけで軟骨が剥離してしまう事が多いです。
離断性骨軟骨炎は、投球動作によって筋肉の牽引力が軟骨部分に何度も掛かる事で軟骨部分に炎症が起きた状態です。
さらに悪化する事で軟骨が剥がれて、関節内を漂うようになり、肘の痛みや違和感・ひっかかりなどを起こすようになるのです。
6-2.接骨院の方が安くて通いやすいのですが、どうなのでしょうか?
接骨院は症状によっては健康保険を使う事が出来る為、安い値段で施術してもらう事が出来ます。
しかし、数分間のマッサージで野球肘を改善する事が出来るでしょうか?
確かに患部周辺の筋肉をほぐせば一時的に痛みは弱くなるかもしれませんが、時間が経つと元通り、つまり良くもなってないし、悪くもなってない状態です。
そのせいで何度も通ってしまっている人がいるのではないでしょうか。
がじゅまる整体院では保健適応外で施術させて頂くため、最速最短で結果を出します。
ストレス無く野球が出来るように、一日でも早く野球肘の症状からお別れできると嬉しいですよね。
6-3.投球数が増えるのはだめですか?
確かに、甲子園での投球数の制限が話題になる事がありました。
投球数が多くなる事で肘に掛かる負担が大きくなってしまうからです。
整ったフォーム、筋肉量、適度な関節の可動域があっても、あまりにも投球数が多すぎると肘に負担が掛かってしまうのは避けられないでしょう。
学生の場合、自分自身で判断してしまうと手遅れになってしまう事があるため、周りの指導者などが管理するなどして、練習内容をコントロールする必要があります。
6-4.野球肘予防のためのサポーターは有効ですか?
サポーターは正しく使用すれば肘に掛かる負担を軽減する事が出来ます。
使い方次第では動かしにくくなったり、肘以外の関節に負担を掛けてしまう可能性があるので注意が必要です。
また、サポーターを巻いている時は症状を抑える事が出来るかもしれませんが、常用してしまうと圧迫されて筋肉が硬くなったり、関節の動きが悪くなって結果的に野球肘の症状を長引かせる事になってしまいます。
肘に負担を掛ける時に巻いて、適宜外すようにしましょう。
6-5.野球肘は再発しますか?
症状が落ち着いても原因が残っている場合、再発の可能性はあります。
- 筋肉の硬さが取れた
- 関節の動きが良くなった
- 投球後も痛みが無くなった
肘の状態を整える事で確かに症状は消えるでしょう。
しかし、肘にだけ焦点を当てていると全身の状態に気付く事が出来ず、根本的な原因の発見には至りません。
なぜ肘に負担が掛かって野球肘は発症してしまったのかを正しく分析し、身体の歪みを整えて肘に負担が掛からないようになる事で、野球肘は再発を防ぐ事が出来ます。
7.まとめ
がじゅまる整体院は、整体師が受けたいと思う治療法を提供します。
症状が出ているのが肘だとしても、体中のあらゆる所に原因が隠れている可能性があります。
正確に検査しないと判明しないものが非常に多いので、原因がはっきりしないまま施術を受けて、一時的に症状が引くけれど時間が経つとまた症状が出てくる、そんな経験あるかもしれません。
がじゅまる整体院は問診と検査を重要視しているからこそ、解明できる原因と症状があります。
なので改善する上で必要な治療間隔を提案させてもらいますが、強制もしないし必要以上に通院を促す事もありません。
限りあるお時間の中来院していただいてるので、最適な間隔と出来る限り最速最短での改善をお約束します。
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