野球肩とは、野球を主としてオーバーヘッド動作のあるスポーツに発生しやすい傷病で、肩の痛みや動揺性、脱力感などによって、投球動作が障害される症状の総称です。
投球動作時の痛みの発生率を調査するために、小学生から大学生の野球選手約11000人を対象に行った結果、11%以上が痛みがあったというデータがあります。
投球動作障害は小学生よりも大学生に多く、年齢が上がるにつれて発症率は高くなっている傾向にあります。
日本における野球人口は推定150万人以上と言われており、単純計算で15万人以上の野球選手が肩の痛みに悩んでいるという事になります。
野球では最も発生しやすいスポーツ障害であり、十分に予防が必要と言えるでしょう。
では、一体なにが原因となっているのでしょうか
- 疲労の溜め込みすぎ
- 投球数
- 投球フォーム
- 身体のバランス
野球肩はあらゆる要因が絡み合って発生しているため、原因を特定するのが非常に困難です。
更に改善が難しいと言われる所以が、人によって野球肩の原因が全く違うという事です。
当たり前かもしれませんが生活習慣は人によって様々です。
無意識にやっている癖も違うし、そもそもの身体の能力も違う。
投球フォームも異なります。
これらから考えても、野球肩の発症原因は一人一人違うはずなのです。
私たちがじゅまる整体院は開業から5年が経過し、多くの野球肩患者と向き合って症状を改善させてきました。
これほどの結果を出すに至った要因は明確です。
野球肩の原因が一人一人違う事を前提に丁寧に検査を実行し、その人が持つ固有の原因の特定に力を注いでいるからです。
前置きが長くなってしまいましたが、今回そんな私にしか出来ない野球肩の話があると記事を書きあげました。
- 一体野球肩とは何なのか?
- 野球肩が発症するのはなぜか?
- 野球肩改善のためにはどうすべきか?
- どこにいけば野球肩を改善出来るのか?
- セルフケアで野球肩を予防するにはどうすればいいのか?
野球肩にまつわる私がお伝えできる限りの全てをこれからお伝えしていきます。
本記事をご覧いただいて、つらい野球肩から解放される日々を送っていただけますと幸いです。
それでは一つ一つ見ていきましょう。
1.野球肩とは?
野球肩改善のためにも、野球肩について基本的な情報から確認していきましょう。
1-1.野球肩とは投球動作が障害される傷病の総称
野球肩とは、野球に限らずラケット競技などのオーバーヘッド動作によって発生する肩関節障害の総称です。
野球肩と訴える患者の症状は多種多様で次のようなケースがあります。
- 肩の痛み
- 肩の不安定性
- 肩の張り
- 肩の動かしにくさ
- 肩の力の入りにくさ
症状を軽視するわけではありませんが、重要なのは原因です。原因から解消していかないと症状が完全に消える事はありません。
野球肩が発生する原因は人によって異なります。
関節の可動域が狭くなっている可能性も考えられるし、筋肉が緊張している事も考えられます。
さらには、それらの原因が野球以外の日常生活動作にあるかもしれません。
野球肩の原因は一概には言えず、フォームや体幹の不安定性などあらゆる要因が複合的に絡み合っているケースがほどんどだと考えた方がナチュラルでしょう。
そのため、野球肩改善には一人一人のライフスタイルや癖と向き合う必要があるのです。
1-2.野球肩の主な原因はオーバーユース?
野球であれば投手や捕手のように投球数の多いポジションに多いとされています。
少し古い情報ではありますが2005年の日本臨床スポーツ医学会で青少年の野球障害に対する提言が掲げられています。
1) 野球肘の発生は11、12 歳がピークである。従って、野球指導者はとくにこの年頃の選手の肘の痛みと動きの制限には注意を払うこと。野球肩の発生は15、6 歳がピークであり、肩の痛みと投球フォームの変化に注意を払うこと。
2) 野球肘、野球肩の発生頻度は,投手と捕手に圧倒的に高い。従って各チームには、投手と捕手をそれぞれ2名以上育成しておくのが望ましい。
3) 練習日数と時間については、小学生では、週3日以内、1 日2 時間を越えないこと,中学生・高校生においては、週1 日以上の休養日をとること。個々の選手の成長,体力と技術に応じた練習量と内容が望ましい。
4) 全力投球数は、小学生では1 日50 球以内、試合を含めて週200 球を超えないこと。中学生では1 日70球以内、週350 球を超えないこと。高校生では1 日100 球以内、週500 球を超えないこと。なお1 日2試合の登板は禁止すべきである。
5) 練習前後には十分なウォームアップとクールダウンを行うこと。
6) シーズンオフを設け、野球以外のスポーツを楽しむ機会を与えることが望ましい。
7) 野球における肘・肩の障害は、将来重度の後遺症を引き起こす可能性があるので、その防止のためには指導者との密な連携のもとでの専門医による定期的検診が望ましい。
引用:日本臨床スポーツ医学会
野球肩は、肩の関節を構成する筋肉や腱、靭帯などが何度も投球動作をすることによって何らかの障害を受け発症します。
- 成長期であれば、上腕骨の成長軟骨の損傷
- 筋肉や腱、靭帯損傷に伴う関節唇の損傷
- 腱が骨に挟まり衝突して炎症を起こす
- 筋肉の過緊張 etc
どの場合でもオーバーユースが原因になる事は容易に考えられるのです。
しかし、病院を受診後に私たちのもとにいらっしゃる患者様のお話を聞いてると次のような話が非常に多いです。
- 整形外科に行ったのに具体的な原因を教えてもらえなかった
- 「とりあえず湿布と電気治療」といった対応がほとんどだった
- 「しばらく安静にして様子を見てください」とだけ言われた
つまり、整形外科をはじめとした専門家の腕があっても、野球肩の具体的な原因の特定は難しいという事です。表面状の症状だけを見れば単純かもしれませんが、その裏に隠れる野球肩の原因は決して単純では無く複雑に絡み合っているため、ハッキリと特定する事は難しいのです。
それでも、一人一人と向き合って可能性を一つずつ追及していけば、ほぼ間違いなく野球肩改善に近づけることは可能です。
1-3.腱板断裂
- 腕が上げにくい
- 上がるけど痛い
- 上げてるときにゴリゴリと異音がする
- ケガは治ったのに肩だけ痛みが消えない
腱板とは肩甲下筋・棘上筋・棘下筋・小円筋の4つの腱から構成され、筋肉の伸縮の力を骨に伝える為のもので、可動域が広く安定性に欠ける肩関節を固定するうえで重要な役割を担っています。
肩に強い衝撃が加わることで発生することもあれば、繰り返しの投球動作による使いすぎや加齢による腱板の劣化、思い当たることが何もなくても知らないうちに小さな傷が入り、動かしているうちに布を裂くように傷が広がっていくケースもあります。
症状は動作時にゴリゴリと異音を伴う場合もありますが、腱板に損傷があっても痛みも感じないし、普通に動かせる事もあります。というのも腱板が4つの腱から構成されているので1つ切れただけでは動き自体に問題はあまりありません(強い炎症がある場合には痛みを伴います)
しかし、徐々に痛みが強くなり日常生活への支障や睡眠障害を起こすほどの夜間痛に発展するパターンもあります。
好発する年齢は、腱板の年齢に伴う劣化の場合もあるので高齢になってきます。
病院ではMRI検査でどの程度腱板が損傷しているか確認後、様子を見ながら痛みを緩和させていくか、手術をするかどうか決定します。
しかし前述した通り、切れた腱板を手術無しで繋ぐ事は難しいとされています。というのも、繋がらなければいけないのが筋肉同士ではなく腱と骨であり、尚且つ腱はくっつく方向と逆方向に筋肉に引っ張られるため、更に傷が広がってしまう可能性が高いのです。
では必ず手術をしないと治らないかというとそういうわけではありません。腱板が損傷していても、炎症が落ち着いて他の筋肉だけで十分補える場合には全く症状無く動けるようになります。
人によって治療のゴールを決めて、日常生活を送る上で困らないレベルを目指すのか、それともスポーツを本気でやる事が出来て不自由無く肩が動かせるようになるレベルを目指すのか、それ次第で治療の方針と方法が全然変わってきます。
腱板断裂について、概要ではありますが説明させて頂きました。
原因が、軟骨でも靭帯でも腱板断裂でも一番気になるのは「治るのか?」という部分だと思います。
正しい知識を身に着けて少しでも早く症状から解放されるよう、適切な治療を受けるようにしましょう。
2.自分で野球肩を和らげる3つの方法
2-1.振り子体操
肩幅程度に足を広げた状態で上半身をお辞儀して、痛む方の腕を垂らし身体を軸に左右に揺らします。
この時腕の力で揺らすのではなく、体を揺らして腕を振り子のように振るのがポイントになります。
また足を前後に広げて前後に揺らしたり、円を描くように揺らしてあげるのも効果的です。
この時リストバンド型の重りをつけるとやりやすいですね。
慣れてくると肩に力が入ることなく、リラックスした状態で腕を振れるようになってくるので尚更効果が期待できます。
各方向10往復程度することで、肩周辺の筋肉が緩み、関節の可動域も広がって痛みが軽減されてくるでしょう。
2-2.ストレッチ
簡単な予防方法として自宅でストレッチをすると良いでしょう。
身体とは4割が筋肉で、そのうち約7割の筋肉は下半身です。
下半身の筋肉は身体の中心部分である骨盤を安定させる重要な役割があります。
下半身の筋肉が低下したり、働かなくなると骨盤が不安定になりバランスが崩れて歪みとなり、肩に余計なストレスが掛かるようになってしまいます。
なるべく肩に負担の掛からない歪みの無いバランスの取れた身体を維持する事が症状改善の近道なのです。
また、身体を支える下半身のストレッチは重要ですが、患部となる肩自体のストレッチは注意が必要です。
患部のストレッチをすると、一時的に筋肉に柔軟性が付き血流が良くなって痛みが緩和されるかもしれませんが、筋肉や周辺組織など損傷した部位をストレッチで無理やり伸ばしてしまうと修復途中の組織を壊してしまう事になります(傷口を広げてるようなもの)
いつまでも痛みが引かない場合には、習慣的に行っているストレッチをやめてみるのもいいかもしれません。
2-3.アイシング
練習後・作業後は肩に負荷が掛かって炎症が強くなっているため、患部を保冷剤や氷嚢を使ってアイシングをするべきです。
しかし、過剰なアイシングは炎症を抑えると同時に筋力を低下させてしまうので注意が必要。
アイシング効果により炎症が引いて痛みが出なくなっても、筋力が低下していると早々に再発してしまう事が非常に多いため、やりすぎてはいけません。
20分冷やして、10分程度休憩をとるようにしましょう。
もしかしたら温めるべきと聞いたことあるかもしれません。
温めると一時的に症状が緩和されるかもしれませんが、一時的に筋肉が緩み血流が良くなって症状が弱まっているだけです。
炎症が起きている患部を温めると、後で痛みが強くなったり、野球肩を長引かせる要因にもなるのでアイシングをして炎症を抑える事を第一に考えましょう。
3.野球肩改善に向けた施術を提供する3つの場所
野球肩改善のために専門家の力を借りたいのであれば、次の3つの場所の違いを把握してから探すべきです。
名称 | 誰がやるか | 特徴 |
---|---|---|
病院(整形外科) | 医師(有資格) |
|
接骨院、整骨院 | 柔道整復師(有資格) |
|
整体院 | 柔道整復師や理学療法士(有資格) ※無資格者が経営している場合もあり |
|
それでは一つずつ解説していきます。
3-1.病院(整形外科)
国家資格を所有した医師が治療にあたります。
病院では、レントゲンやMRI撮影、手術が可能という点が大きな違いです。
画像診断によって筋肉や腱、靭帯の損傷度を正確に把握する事が出来ます。
また、通常の骨折・脱臼は接骨院でも治療可能ですが、皮膚に損傷があり出血を伴う骨折・脱臼は病院での適応となります。
野球肩に対しての治療法は痛み止めや筋弛緩剤で痛みを和らげ、可動域を広げるための運動療法や物理療法など対症療法が中心となります。
腱板が完全断裂しており、競技復帰を目的とする場合には手術を選択するケースもあります。
3-2.接骨院
柔道整復師という国家資格を所有しています。
接骨院ではレントゲンやMRI撮影が出来ないので、検査は基本的に触診メインで筋肉の状態や関節の動きを捉えていきます。
接骨院によっては超音波検査機を使用して筋肉や腱、靭帯の状態を診る事もあります。
ただし、触診でも超音波でも同じですが、施術者の熟練度によって見方が変わってしまうので注意が必要です。
野球肩に対しての施術方法は手技メインで、筋肉をマッサージして緩めたり、関節の可動域を広げるために運動療法やストレッチ、更に特殊な電気治療器などを使用して痛みを緩和させる場合もあります。
接骨院によって治療内容や技術レベルが異なるので、事前に口コミやホームページなどを調べておく必要があります。
3-3.整体院
整体院は規則上、無資格でも問題無く営業する事が可能ですが、柔道整復師や理学療法士などの国家資格を持っている場合が多いです。
施術方法はその整体院によって様々で、
- 筋膜リリース
- 高周波など特殊な電気治療器による施術
- カイロプラクティックでの骨格調整
- オステオパシー
- テーピング中心の施術 etc
というように多様化されているので一概にはいえませんが、もともと病院・接骨院に勤務する有資格者が更なる治療の為に経営している場合が多く、身体の構造を熟知し精練された技術である事が多いです。
しかし、上記したように無資格者の場合や接骨院同様に技術のレベルにバラつきがあり、治療内容も整体院によって違うので口コミや、施術内容など事前に調べておく必要があります。
4.がじゅまる整体院における野球肩の施術の進め方
野球肩は症状としては肩に現れていますが、原因となる部分が肩である事はほぼありません。
全身の歪みによって投球時に肩に負担が掛かってしまっている事がほとんどなので、全身を調整する事で肩の可動域を広げ、肩の症状を取り除いていきます。
また、そこからさらに正しいフォームや身体の使い方を身に着ける事で、投球時に痛みが無くなる事を着地点とします。
これによって肩に掛かる負担を可能な限り小さくしていく事で野球肩は改善されていくのです。
野球肩は改善されるまでが非常に時間がかかるとよく言われていますが、全身の状態を把握して原因に正しく施術する事が当院の特徴なので、最短での症状改善が期待できます。
手術でも無いので、リスクを伴わないのも特徴です。
がじゅまる整体院では国家資格保有者が施術にあたり、野球肩改善のために以下のような流れで施術を行なっています。
- 問診
- 検査
- 施術前の説明
- 施術
- アフター検査
- 施術後の説明
それぞれどのような内容で進めていくのか解説していきます
4-1.問診
まずは、現在の身体の状態について問診票に詳しくご記入頂きます。
- いつからか?
- 原因として思い当たる事は?
- 症状を感じる動作は?
- 楽な体勢は?
- 既往歴
- 生活習慣(職業、運動etc)
他にも気になる症状があれば、詳しくご記入頂きます。
もし、他にも出ている症状が出ているのであれば、様々な角度から原因を突き止め根本的な部分から改善につなげる事が出来ます。
4-2.検査
がじゅまる整体院では原因解明のために全身を検査します。
肩の痛みだからと言って肩の検査だけをするのはNGです。前述した通り、野球肩は原因の特定が難しい上に、肩以外のありとあらゆる部分の歪みによって二次的、三次的に肩に負担が掛かり蓄積した結果、野球肩になっている可能性があるからです。
こういった検査を丁寧に行なっているからこそ、私たちがじゅまる整体院では野球肩を改善させることが出来ます。
例えば私たちが野球肩と聞いて真っ先に思う浮かべる主要な原因は次の通りです。
- 頸の骨が歪んでいる
- 肩が前に巻き込んでいる
- 骨盤に歪みがある
- 肘が捻じれている
- 足首がずれている
- 手首がずれている
これらの可能性を頭に浮かべながら丁寧に検査を進めていきます。
ただし、上記はほんの一部でしかありませんしもっと詳しく検査しなければわからないものばかりです。
野球肩といっても痛む場所に直接的な原因は無く、体幹の歪みや下半身の骨のずれ、筋肉の異常な緊張によるものが非常に多いのです。
4-3.施術前の説明
施術自体が特殊であるために、施術中、施術後、身体の中で様々な反応が出る事があります。
身体が暑くなってきたり、眠くなってきたり、少しだるさを感じてきたり、動悸がしてきたり、呼吸が荒くなったりしてきます。
人によっては、一時的に痛みが強く出たりとか、 普段痛みが出ていないような所に痛みが出てきたりします。
痛みが強くなることは稀ではありますが、万が一調整により不具合を感じた場合はすぐにご相談ください。
4-4.施術
施術は、トムソンテーブルという特殊なベッドを使用し調整していきます。ベッド自体が、頸椎部、胸椎部、腰椎部、骨盤部と4部分に分かれており、それぞれが上下に昇降するように可動します。
昇降する際に発生する衝撃と振動を利用し、ずれた関節、 固まった関節・筋肉を緩ませて、正しい位置に調整していきます。その際に大きな音が発生しますが、痛み自体は大きく伴うことはありません。
4-5.アフター検査
施術後、施術前に実施して検査を元に再検査を実施します。そこで筋肉の硬さや関節の動き、関節におけるズレの変化を前後で診ていきます。
4-6.施術後の説明
施術において、動きが狭かった所に動きを出すように調整していきます。
その関係性で、次の日筋肉痛みたいな痛みが出たり、筋肉に張り感を感じたりするかもしれません。そのため、そういった反応を少なくするために、施術後30分以内に5分〜10分歩くことを推奨しています。
骨格を調整して骨格はいい状態ですが、そこについている筋肉がまだ馴染んでいない状態なので、歩いて筋肉を動かして馴染ませる作業が必要になってきます。
5.今後野球肩を防ぐために知っておくべき3つのこと
5-1.ストレッチの注意点
自分で痛みを和らげる方法でもご紹介させてもらいましたが、ストレッチについて注意が必要です。
野球肩には、どんなストレッチもプラスに働くわけではありません。
もし今、痛みを伴うストレッチをしていたらすぐにストップしてください。
伸びなくなった筋肉を伸ばしてるんだから痛みを感じるのは当たり前だと考えている方がいたら少し間違っているかもしれません。
ストレッチは、伸びない筋肉を強引に伸ばす事で柔軟性を付けるため、多少痛みを伴うのは仕方ありません。
しかし、野球肩のように関節や筋肉、周辺組織が固まり炎症が起きている時に無理やりストレッチをすると炎症が悪化して、痛みが弱くなるどころか強くなってしまう危険性があるんです。
治そうと組織が修復している時に痛む動作を繰り返すのは、落ち着こうとしている炎症の邪魔をすることになるので要注意。
もしストレッチや体操をする時は、痛みのない範囲で行い、少しづつできる範囲を広げていきましょう。
5-2.体幹の筋肉を鍛える
前述した通り筋力トレーニングは非常に有効です。
体幹部分の腹筋や背筋、さらに下半身をトレーニングする事で投球動作時の身体のブレを抑えて、肩に掛かるストレスを軽減する事が出来ます。
筋力の低下や体幹のブレ、下半身の不安定性はフォームが崩れる原因となり、崩れたフォームで繰り返し投げる事でより疲労が蓄積しやすく、結果的に野球肩が発生しやすくなってしまいます。
自分のボディバランスを把握する事は野球肩を予防する上で非常に重要なので、部位別の筋力トレーニングも大切になってきます。
5-3.疲労を残さない
怪我や不調を起こさせないためにも疲労回復は大切な事です。
集中して練習をすれば、疲れるのは仕方ありません。
この疲労をいかに溜めないか、翌日に持ち越さないかが非常に重要になってきます。
まず、練習直後にすべきなのがクーリングダウンです。
普段から習慣的に行っている人もいるかもしれませんが、リカバリーのためにはとても大切な事なのです。
まず、負荷が掛かりやすい部位には保冷剤や氷嚢などを使ってアイシングをします。
投手でれば肩や肘は怠ってはいけません。
その後、10分程度のジョギングやストレッチで筋肉を緩ませていきましょう。
家でもしっかりと湯舟に浸かり、血流を促進させると良いですね。
ただし、既に肩に痛みが生じている場合にはシャワーで済ませるか、長湯して患部を温め過ぎないようにするべきです。
さらに、入浴後の身体が温まった状態でストレッチするのも効果的ですね。
当然ですが、疲労を回復するためには睡眠も必要です。
また、睡眠をとる事で一日の出来事や練習内容が頭の中で整理されるので一日の仕上げに大切な時間なのです。
野球肩予防において疲労を溜め込まない事は重要ですが、試合においても自分のベストパフォーマンスを発揮するために身体のリカバリーは必要不可欠と言えるでしょう。
6.患者様より頂く野球肩にまつわる質問
6-1.どのタイミングでアイシングをしたら良いですか?
理想としては練習後、可能な限り早めに実施すべきです。
しかし、練習直後にアイシングをするのは現実的に難しいかもしれません。
その場合には、コールドスプレーで一時的に冷やしてもらい、帰宅後に保冷剤や氷嚢などを使ってアイシングすると良いでしょう。
6-2.練習は続けても大丈夫ですか?
無理の無い範囲でやる分には問題ありません。
痛みを伴う状態で投球すると、その都度患部に負荷を掛ける事になり回復も遅れて野球肩を長引かせる要因となります。
また、痛みがある状態で投げてもベストパフォーマンスが出せないため、練習の効果も半減してしまいます。
練習量や内容は、症状の変化をみながら徐々に変えて行くと良いでしょう。
6-3.野球肩ってマッサージでも治りますか?
マッサージをすることで硬くなった筋肉の緊張が緩み、肩の可動域が拡がったり痛みが弱くなるかもしれません。
しかし、それも一時的である場合が多いです。
野球肩の原因が筋肉なのか、関節なのか、それ以外なのかによってもアプローチが違います。
もし、筋肉の緊張が原因だったとしても、なぜ肩の筋肉が緊張してしまうのかを改善しなければ元に戻ってしまいます。
全身を丁寧に検査する事で原因を解明し、正確にアプローチする事で野球肩を改善させる事が出来るのです。
6-4.整体が癖になると聞いたのですが本当ですか?
整体が癖になったり、依存症のようになってしまう事はありません。
おそらくこのように感じるのは、身体の変化を感じやすくなったからだと考えられます。
それまでは常に調子の悪い状態だったため症状の起伏も無かったが、施術によって身体の状態が整ったため、ちょっとした不調にも敏感に気付けるようになったという事です。
特に疲れを感じたり、精神的ストレスが掛かった時には身体の不調に気付きやすいでしょう。
6-5.どうすれば早く良くなりますか?
もちろん身体の歪みを整えておくことは重要ですが、循環や血流など身体そのものの状態を整えておくことでより早い回復が期待出来ます。
そのうえで重要なのが、水分補給。
筋肉の緊張は血流が悪くなる事で緩みにくくなるため、血流を良くしなれけばなりません。
血液は老廃物を体の外に出す機能をもつ血漿という成分が55%を占めます。
血漿を正常に機能させるために必要なのが水。
血漿の90%が水なので、体内の水分量が減ってくると血漿も減少してしまい、血液がドロドロになって流れが悪くなってしまいます。
つまり、適度な水分補給は血流を正常化し、老廃物を体外に排出してくれるようになるのです。
さらに血流促進は筋肉への栄養供給もしやすくなる為、筋肉の緊張解消にも繋がります。
大人が一日当たり必要な水分量は約2リットル。
食べ物からも水分を摂る事は出来ますが、半分以上は飲み物から補給しなければいけません。
子供であれば必要量は減少しますが、運動によって大量の汗をかくと必要な水分量は当然増やす必要があります。
一回あたりに吸収できる水分量はおよそ200ml。
一度に摂りすぎても吸収されずに尿として体外に排出されてしまうので、6~7回に分けて飲む必要があります。
逆に飲みすぎると体内の塩分濃度が薄くなりすぎてしまい低ナトリウム血症を引き起こしてしまい、頭痛・吐き気・意識障害を起こす可能性があるので1時間に1リットル以上を飲む場合は注意しましょう。
また、運動で大量の汗をかいた場合には、併せて塩分摂取も忘れてはいけません。
7.まとめ
がじゅまる整体院は、整体師が受けたいと思う治療法を提供します。
野球肩といっても、頭のてっぺんからつま先まで原因様々です。 細かく診ないとわからないものばかりなので、その時は症状が落ち着くけれど時間が経つとまた再発してくる。そんな経験あるかもしれません。
しかし問診、検査に長く時間をとっているがじゅまる整体院だからこそ解明できる原因と症状があります。
なので必要な間隔での治療は提案させてもらいますが、強制もしないし必要過剰な通院の指示もしません。 皆さんもお忙しい中来院してもらっているので、最適な間隔と出来る限り最短での改善をお約束します。
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